普段、いろんな人やいろんな会社を見ていると、「成功しているものと成功していないものの差は何なのか?」ということを考えることがあります。
その答えが記されているのが今回ご紹介します、書籍「GRIT-グリット-(やり抜く力)」(著:アンジェラ・ダックワース)です。
Contents
やり抜く力(GRIT)とは
結論からもうしますと本書は、成功するためのキーワードは2つだと明言しています。
「成功するためのキーワード」
①「粘り強さ」=並外れて粘り強く、努力家
②「情熱」=自分が何を求めているのかをよく理解していること
この「粘り強さ」×「情熱」が合わさることで、「やり抜く力(GRIT)」が生まれます。
いくら才能があったとしても、困難に立ち向かう「粘り強さ」がなければ、挫折してしまいます。しかしたとえ才能がなくても「粘り強さ」があれば、たとえ困難な状況が続いたとしても、決して諦めずに小さなことをたくさん積み重ねることができます。
さらに「情熱」がある人は、確固たる強い決意があり、しっかりとした方向性が定まっています。つまり情熱がある人は、普段つまらないことやイライラすること、つらいことがあったとしても決してあきらめようとは思わないということです。
この二つの要素で構成されている「やり抜く力(GRIT)」を身につけることで、着実に成功へ近づくことができます。
やり抜く力(GRIT)を測る
本書では現在、自分のやり抜く力がどれほどかわかる「グリット・スケール」というものを紹介しています。
◆「やり抜く力」を測るグリット・スケール
全く当てはまらない | あまり当てはまらない | いくらか当てはまる | かなり当てはまる | 非常に当てはまる | |
1.新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られる。 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
2.私は挫折をしてもめげない。簡単にはあきらめない。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
3.目標を設定しても、すぐ別の目標に乗り換えることが多い。 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
4.私は努力家だ。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
5.達成まで何か月もかかることに、ずっと集中して取り組むことが中々できない。 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
6.一度始めたことは、必ずやり遂げる。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
7.興味の対象が毎年のように変わる。 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
8.私は勤勉だ。絶対に諦めない。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
9.アイデアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
10.重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
まずは上図で自分に当てはまると思う数字に〇をつけていきましょう。それから集計します。
グリット・スケールを集計するには、10項目で自分がマルをつけた点数を合計し、10で割るとことで出ます。
最高スコアが5(やり抜く力がきわめて強い)で、最低スコアが1(やり抜く力がきわめて弱い)ということになります。
◆アメリカ人の成人のグリット・スコア
パーセンタイル | グリット・スコア |
10% | 2.5 |
20% | 3.0 |
30% | 3.3 |
40% | 3.5 |
50% | 3.8 |
60% | 3.9 |
70% | 4.1 |
80% | 4.3 |
90% | 4.5 |
95% | 4.7 |
99% | 4.9 |
例えば、あなたのスコアが「3.9」ならば、標本であるアメリカ人の成人の60%よりも「やり抜く力」が強いことになります。
ちなみに私も測定した結果「4.1」という結果になりました!(そこそこ「やり抜く力」が強い!)
やり抜く力(GRIT)を伸ばすには
自身の成功は、日々の小さな努力の積み重ねた結果でしかありません。これまで、そのためには「やり抜く力」が必要だということを述べてきましたが、それにはさらに、「目標」がなければ失敗します。
目標とは「あなたが人生で本当にやりたいこと」を明確にすることです。目標がないことは、まるでゴールのないマラソン大会に出て、ただ走っているだけの状態です。
目標をピラミッド形で描くと下記のようになります。

※図はGRITを参考に作成
ピラミッドの一番下は、もっとも具体的な日々のやることリストのような目先の目標のことです。上に行くほど重要な目標になっていき、中位や下位の目標は、どれも「夢のような大きな目標を達成するための手段」にすぎません。
例えば、「健康を維持する」という上位の目標があれば、それを叶えるため、「運動する」「バランスのとれた食事をとる」「睡眠時間を確保する」が中位目標となります。
さらにその中位の目標を実現すべく、日々のやることリストが「筋トレする」「ランニングする」「タンパク質を多く摂取する」「無駄な飲み会には行かない」「夜更かししない」「残業しない」にあたります。
これらを考えることで目標に向かう方向性と意義を与える「コンパス」になると考えます。
目標達成法
目標達成法は目標達成の確率をあげるために、伝説の投資家「ウォーレン・バフェット」が考案したものですが、その目標達成法に、著者のアンジェラ・ダックワースが加筆したものです。
◆目標達成法
時間とエネルギーが限られているこの世界では、目標を達成するには、目標を全てやるのではなく、やることと、やらないこともしっかり決め、やることに対してもしっかり優先順位をつける必要があります。
やり抜く力(GRIT)を内側から伸ばす
やり抜く力を内側から伸ばすためには大きく4つのステップがあります。
ではそれぞれについて、解説します。
①興味
まずは自分が興味を持ったものに対して、実際に行動してみましょう。一生かけてやりたいものが見つかるまでには、かなりの時間を要します。そして興味を持ったものに対して、積極的に掘り下げることも大切です。
②練習
何かに興味を持った次は、それを練習します。一人前になるには1万時間が必要だと言われますが、それにプラスして「どう練習するか」が大切になってきます。

「スキルの上達」と「年数」の関係 ※図はGRITを参考に作成
本書ではそれを「意図的な練習」と呼んでいます。意図的な練習がなければ、どんなに時間をかけても必ず頭打ちの状態になります。そんな意図的な練習には3つの流れがあります。
本書ではもっと練習を取り組みやすくする方法として「習慣化」を勧めています。習慣化については別の書籍で解説していますので、参考までに下記にリンクを貼り付けておきます。

③目的
自身のやりたいことに「目的」を見出すことができれば、やり抜く力をさらに強化することができます。
ただ単に自分の私利私欲だけにはしるのではなく、自身が行った活動が人々の幸福にも貢献しているということが大切です。まずは自身が現在やっている仕事の中で、社会にとってどのように役に立っているのか考えてみるのもありだと思います。
④希望
成功するには、いくつもの試練が立ちはだかります。「過去に失敗したからやめておこう」「私の能力ではどうにもできない」「やる気が起きない」など、諦める理由はいくつでも出てきます。
そんな中でも「自分の努力次第で将来は必ずよくなる」と希望を持つことで、挫折せず努力し成功へ一歩一歩近づいていくことができます。
希望を持つコツとしては、失敗での解釈を「能力が足りなかったから」と思うのではなく、「努力が足りなかったから」と考え、何事にも希望をもって行動していきましょう。
やり抜く力(GRIT)を外側から伸ばす
本書ではやり抜く力を外側から伸ばすということも記載されていますが、大きく言えば「今の環境を変えること」か「最高のメンターに出会うこと」ぐらいで、自分ではどうしようもない部分が多いので、今回の解説では割愛させてもらいます。
まとめ
やり抜く力次第で、私たちが人生のマラソンで何を成し遂げられるかが決まってきます。
私自身も道半ばですが、この記事を読んでくださったあなたの「やり抜く力」が少しでも身についていることを願っています。
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