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【書評】「そこにある山」から学ぶ、正しい人生の歩み方(著:角幡唯介)

そこにある山 書評

こんにちは、うえにーです。今回は作家であり探検家である角幡唯介さんの書籍「そこにある山」の書評です。

 


 

角幡さんは誰もが行くような観光地ではなく、グリーンランドで犬ぞりをしたり、太陽の出ない北極圏を探検したり、カナダの北極圏で1600kmもの距離を徒歩で踏破したりと普通では人ができないことをしながら作家しても活躍されている方です。

 

人生の正しい歩み方が学べる

本書を読んで一番感じたことは「人生の正しい歩み方が学べる」ということ。

 

角幡さんが現在まで経験してきたことを一つ一つ紐解いて、人生の正しい歩み方を論理的にわかりやすく書いてくれています。また、テクノロジーの発達により、現代社会では見えなくなっている物事の本質を見抜く方法もご自身の経験をもとに書かれています。

 

正しい人生を歩むために必要なこと①

一つ目は、「関わる」ということ。

 

この関わる対象は、人だけではなく、モノや本、土地、動物など様々です。その関わりも表面的な関わりではなく、深さ(本質)が大切です。

 

例えば、目的地に向かうまでに、車のカーナビを使用したとします。時間と効率をだけを求めれば、当然目的地までカーナビを起動すれば、目的地まで効率的に確実に到着します。

 

しかし、カーナビを使えば、「土地」との関わり合いが失われます。カーナビを起動すると、目的地に到達するまでのプロセスを無意味にしてしまいます。

 

カーナビが無い時代は、紙の地図を見て目的地までのルートを決め、その道順を覚えて、集中して運転し、目印となる建物や標識などを見つける必要がありました。カーナビを使うことで、労力はなくなりますが、人間が本来必要な「志向性(関わり)」が失われているのです。

 

積極的に関わるにはどうすればいいのか?

積極的に関わることができる方法は「テクノロジーを使わないこと」です。

 

例えば、旅行にいくときにGPSを使わないこと。GPSを使わないことで自分が今どこにいるかわかりません。そうすることで、人に聞きながら目的地までいくことや、標識や地図を見ながら試行錯誤しながら旅行することになるので、思考しながら深く物事に関わることができます。

 

テクノロジーは非常に便利ですが、それだけに頼ってしますと人間の知覚や能力が年々劣化していきます。例えば、検索エンジンの発達で記憶力がいらなくなったように。そして関わりがなくなることで、何かを深く知る機会までも失っているのです。

 

正しい人生を歩むために必要なこと②

二つ目は、「理性や合理的なことだけで判断しないこと」です。人は理性や合理的なことで物事を判断してしまいがちです。

 

結婚ひとつにとっても、「この人は公務員だから将来が安定している。だからこの人と結婚する!」という合理的な理由で結婚してしまうと、一緒に住み始めてから「こんな人だと思わなかった!」という風に、その後うまくいきません。

 

また、合理的判断だけで人生をコントロールしようとしたら、それは時代や世間の価値観に合わせただけの借り物の人生になってしまいます。(みんなが就職しているから、就職した的な感じです。)

 

そうならないためにも、「事態」というキーワードが非常に大切になってきます。本書では度々「事態」というワードが出てきます。事態とは過去の出来事が契機となって発生し隆起してくる実在的現象のことです。

 

この事態とは、簡単に言えば「過去の経験による自身の思いつき」です。

 

例えば、起業してバーを出店するということを思いつくとします。しかし合理的に考えたら、「失敗するかもしれないから起業なんてせずに、雇われながらバーの店長として働こう」となりますよね。また「バーで働いたことがある」or「バーに行ったことがある」という過去の経験がなければ、「自分のバーを出店しよう!」という考えにもなりませんし、実行させるパワーも出てこないと思います。

 

事態とは単なる思いつきですが、思いつきの裏側には実行に移すという「覚悟」というものが隠れているのです。

 

まとめ

「そこにある山」を読んで、物事には表面的なものと本質的なものがはっきりとあることに驚きました。テクノロジーの発達により、便利な生活にはなりましたが、テクノロジーがある対象と人間との間に入り込むことで、物事に対して関わることが出来ていないことにも、新たな気づきを得ることができました。

 

また、理性や合理的な予定調和的な判断ではなく、私だからこそできる経験や関わり合いを積極的に増やし、固有度の高い人生を送っていきたいと思います。

 

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