今回は、杉並区立和田中学校校長やリクルート社フェローを経て、現在は教育改革実践家として活躍されている藤原和博さんが書かれた「35歳の教科書ー今から始める戦略的人生設計ー」の書評です。
私は現在32歳で普段はサラリーマンとして働いていますが、この年齢だとこのまま一生普通に会社員として働くだけでは、直観的に不安を感じています。
そんな不安を払しょくするためのヒントが「35歳の教科書」には詰まっていましたので、私のように将来が不安な方にオススメな本です。それでは早速ご紹介していきます。
なぜ人生に戦略が必要なのか?
ルールが変わったら、戦い方も変えないといけない
35歳の教科書より
はじめに著者の藤原さんは、社会のルールが変わったことを提唱しています。日本は「成長社会」から完全に「成熟社会」に変化。
成長社会:みんな一緒→→→成熟社会:それぞれ一人一人
ウイルスの蔓延、終身雇用・年功序列の崩壊、大規模なリストラ・・・。今まで当たり前としてきたことが当たり前ではなくなってきている時代です。
今までの代表的な生き方
第2次大戦で敗れ、焼き尽くされた日本
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どうにかしてこの国を復興させよう!
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みんな一緒に丸一となって、経済発展に成功
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みんなで幸せになる成功モデルが確立
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いい大学に入り、大手の会社に就職
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会社は年功序列・終身雇用で安心
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多少理不尽なことがあっても我慢。出る杭は打たれるので、自分の意見は言わない。
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マイホームを建て、犬を飼う
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定年後は盆栽を楽しむ
大まかにいうと多くの人はこのような流れで生きてきました。それでよかったのは、昔はモノによって幸せを信じることができたからです。
昔の幸せモデル
一生懸命に働いて、モノ(テレビ、エアコン、冷蔵庫、電話など)を買う
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モノが売れるので、モノを作る会社の業績が伸びる
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会社の業績も伸びているので、給料が上がる
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色んなものがコモディティ化、モジュール化する(モノ余りの時代になる)
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モノの価格も低下
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モノがある程度揃ったので、各社は新商品をどんどん出す
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ある程度家にモノがそろっているので、モノを買っても幸せを感じなくなる
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逆にこれ以上、モノに占拠されたくない気持ちが芽生える
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モノが売れなくなり、経済成長が失速
このような時代になり、今まではみんなと同じ行動をとっていれば、ある程度幸せを掴むことができたので、人生において個人に戦略など必要ではなかった。
しかし、現在社会では昔とは違い、多様化、複雑化、変化が激しい時代。そんな時代に幸せになるには人それぞれの新しい戦略が必要になってきています。
なぜ35歳からなのか?
10代集中、20代夢中、30代五里霧中
35歳の教科書より
現在社会の生き方は、10代は集中とバランス感覚。
20代は「これだ!」と決めたら、とことん打ち込む。1000本ノックのように打ち込み、1つのスキルを体得する期間。
30代は迷う時期。これから何をするかをしっかりと考えることです。そこで出た答えに対して、40代、50代の自分に続いていきます。
20代、30代での「1万時間」をテーマにしろ
35歳の教科書より
現代社会を生き抜くためには、20代・30代の間に今の会社を出ても通用する普遍的なスキルを磨きます。自分で決めたテーマに対して、1万時間の時間を投入し、そのテーマについてのプロになります。1万時間を投入すれば誰でもある程度はプロのようにできるようになります。
例えば私で言うと、大学4年間はレストランのキッチンでアルバイトをしていました。色々な注文が一気に入り、それをいかに順序良く効率的で綺麗に料理を提供するかに集中していました。自分で言うのもなんですが、キッチンのスタッフでは圧倒的に仕事ができていました。
そこで得たのが、「複数のことを効率的かつ同時に進める」です。このスキルは今の仕事でも活かすことができています。
あと社会人として約10年間を建築会社の広報担当として働いてきました。私が働いている会社は規模が小さいので、色んな業務を任されますが、特に得ることができたのが「編集ディレクション」です。
WEBのコンテンツや冊子、カタログなどの紙媒体など、会社が打ち出していきたい内容をくみ取り、コンテンツとして形にしていくスキルです。イラストレーターなやフォトショップなどの編集ソフトを使い、ある程度の編集作業も行い、デザイナーやカメラマン、印刷会社に対して指示や管理などのディレクションもこなします。
私のスキル:「複数のことを効率的かつ同時に進める」×「編集ディレクション」
上記のようにいくつかの要素をかけ合せていくことで、自分しかできないスキルを身に着けて希少性を高める必要があります。これにさらに新しいことに1万時間を投入することで、自分にしかできないオリジナリティの高い人材になることができます。
まとめ
「35歳の教科書」を読んで、現在社会では戦略的に人生を設計していかないと納得のいく人生を歩むことはできないと感じました。
私も本書を参考にしながら、「今しかできないこと」「今この瞬間にできること」を積み重ねていきたいと思います。
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