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【思考法】新しい道を創造できる本「サードウェイ」

思考法「サードウェイ」

先日、出張で講演会を聞く機会があり、そこでたまたま講師としてお話を聞いたのが、株式会社マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナーの山口絵理子さんのお話でした。

正直、話を聞いていて、感動して鳥肌が立つほどのお話でした。山口さんは大学卒業後、単身でバングラデシュに渡り、2006年にマザーハウスを設立。今ではバングラデシュ他5カ国の途上国でつくったバックやジュエリー、アパレルなど国内外38店舗で販売するほどに拡大されています。

そんな山口さんが仕事で実践されている、相反する2軸をかけ合せて新しい道を創造する「サードウェイ(third way)第3の道の作り方」という書籍が最近発売されていたので、講演会後の早速本屋で購入し、読んだところ、仕事にもプライベートでも非常に考えさせられる本だったので、今回ご紹介していきたいと思います。

サードウェイ(third way)第3の道の作り方

サードウェイ 第3の道の作り方(著者:山口絵理子)

「サードウェイ(third way)第3の道の作り方」

目の前に「A」と「B」という選択肢があるとします。それらは全く異なる2つの選択肢だとします。普通の場合、「A」と「B」のどちらかを捨てどちらか一方を選択するか、「A」と「B」の中間地点としての選択肢「C」を見出そうとします。選択肢「C」は、バランスをとることであり、ある意味では妥協点でもあり、ある意味では「最適解」と呼ばれることもあります。

サードウェイ(第3の道の作り方)

この本書で提示しているサードウェイは、その「A」「B」「C」のいずれの選択肢ではなく、「A」と「B」のいいところを組み合わせて、新しいものをつくる。それは、ときにAに寄ったり、Bに寄ったりしながらも、らせん階段をのぼるように上昇させていくことです。

山口さんが実際に起業したときから掲げてきた言葉が「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。「途上国」と「世界」、「途上国から」「ブランドをつくる」。それぞれ相反する2つのものを組み合わせています。色々問題がある中で、先ほどのバランスを取るような選択肢「C」のような中間地点ではなく、かけ離れたものを組み合した新しい創造をする思考です。

 

サードウェイのイメージ

「サードウェイ」を絵でイメージするとこのような感じです。

サードウェイ(third way)のイメージ

サードウェイの作り方(山口さんの本を参考に作成)

 

丸いものと四角いものが集まるグループがあって、2つは遠くにあって、交わろうとしません。丸と四角を足して2で割って、「丸っぽい四角」をつくっても、魅力的にはなりません。そうではなく、「両者のいいところを組み合わせて、新しいものをつくる」という手法をとってみること。まずは目を凝らしそれぞれを観察すること。それぞれの素敵なところをみつけるということです。

このときに大切なのは、「何をつくりたいのか?」「何を大切にするのか?」を自分に問い続けること。そして、面倒がらずに手を動かすこと。これらの試行錯誤を続けることで、価値は高まり、上昇していきます。

 

大量生産と手仕事のサードウェイ

例えば、大量生産と手仕事。大量生産は、途上国において負の側面もあるけれど、利点もあります。工場運営のノウハウ、効率的な素材管理、調達手法、人材育成手法など。一方の手仕事のよさは、高いレベルの職人技術が消えることなく開花され、人間の温もりが表現される部分、愛が商品に宿る部分です。

ここでのサードウェイは「手仕事を”効率的に”やるには?」という問いから始まります。一見、不可能に感じられたとしても、あきらめずにトライを続ければ、必ず答えは見つかるということです。

山口さんは、それ以外にも「個人」と「組織」、「大量生産」と「手仕事」、「グローバル」と「ローカル」など様々な問題で、サードウェイを切り開いています。

 

サードウェイ以外にもヒントを得れます

サードウェイ以外にも、社員のモチベーションの上げ方や、アート補助金などのユニークな社内制度、新規開拓の心得、商品づくりの考え方など参考になるヒントがたくさんありました。

 

「サードウェイ 第3の道の作り方」を読み終えて

実際に山口さんの講演会を聞いたときにも感動はしましたが、本書を読んでさらに理解が深まり、本でも感動をしました。

よく会社が大きくなっていくと、どうしても従業員に給料や賞与などを支払うために売上や利益を優先し、今まで守っていた理念やコンセプトが崩れることがあります。しかし、山口さんはその皆が選択してしまいがちな選択肢「C」ではなく、新たな道「サードウェイ」を切りひらき、社会性とビジネスの新たな道を切りひらいておられるところにすごく共感する部分がありました。

このような考えがビジネスマンにとって、一番必要な考え方ではないかと感じました。当たり障りのない妥協点ではなく、みなそれぞれ立場の違いがあると思いますが、それぞれがそれぞれの立場で考えていくことが重要ではないかと感じた本でした。

 

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